地方単独事業とは自治体が国の補助金を受けず、地方交付税や地方債などの自前の財源により、自治体が主体となって実施する建設事業を主にさす。道路、下水道、公園、廃棄物処理施設など生活関連の社会資本整備が主。政府は景気の浮揚のために1992年以来、地方単独事業の拡大、上積みを自治体に対して要請してきた。地方単独事業は国の補助金などの制約を受けず、地域に即した事業を計画できる一方、自治体の税収の落ち込むなか、主要な財源を地方債に頼らざるを得ないことから、公債依存度を増大させた。また、地方債の元利償還の一部または全部の、地方交付税による措置という手法については過大投資の誘因となるという批判もあった。財政危機もあって、97年度決算では15兆4000億円あった建設単独事業は2009年度には7兆2000億円と半分以下の水準となっている。