2002年9月17日、小泉純一郎首相が北朝鮮の平壌を訪問して、金正日総書記と合意した文書。同宣言において、日本は朝鮮半島の植民地支配に「痛切な反省と心からのおわび」を表明し、国交正常化の後に北朝鮮に経済協力をするとの姿勢を示した。これまでの「補償」を求めてきた北朝鮮に対して、賠償や請求権の問題とはしないという日韓基本条約と同じ形の方向であり、日本側の主張を通したことになる。北朝鮮は、拉致問題などの「遺憾な問題」は今後起こさないことを確認した。また、安全保障問題では、地域の信頼醸成のための枠組みを整備するとともにミサイル発射のモラトリアムを継続することを約束し、核問題に関する「国際的合意」を順守すると約束した。ただし、02年秋以降、北朝鮮は明らかに核問題に関する「国際的合意」を順守しない姿勢を示し、拉致問題への対応も硬化させてきた。しかし、04年5月、小泉首相が2度目の訪朝を行ったところ、拉致問題では、懸案の家族の帰国や行方不明者の再調査に応じ、金正日総書記も日朝平壌宣言は順守すると語った。北朝鮮が、本当に日朝平壌宣言を順守するか否かは、第4回6カ国協議後の姿勢にかかっている。(→「日朝国交正常化交渉」)