2013年末に定められた「国家安全保障戦略」に基づき、従来の「武器輸出三原則」等に代わる新たな原則。14年4月1日閣議決定。平和国家としての基本理念と歩みを堅持しつつ、防衛装備の適切な海外移転は、国際平和協力、国際緊急援助、人道支援および国際テロ・海賊問題への対処や途上国の能力構築などを通じた国際の平和と安全の維持、推進に資するものであり、また同盟国であるアメリカやその他諸国との安全保障・防衛分野における協力の強化に資するとの観点に立って定められたものである。
新原則は第一に、移転を禁止するケースを、当該移転が日本の締結した条約その他の国際約束に基づく義務、あるいは国連安全保障理事会(安保理)決議に基づく義務に違反する場合、紛争当事国への輸出となる場合として明確化した(第一原則)。第二に、移転を認め得るケースを、防衛装備の海外移転が平和貢献・国際協力の推進に資する場合、および日本の安全保障に資する場合などに限定した(第二原則)。第三に、上記を満たす場合でも、相手国政府には目的外使用および第三国移転について事前に日本の同意を得ることを義務付ける。ただし、平和貢献・国際協力の積極的な推進のため適切と判断される場合などは、仕向け先の管理体制の確認をもって適正な管理を確保することも可能とした(第三原則)。以上の方針の運用指針は国家安全保障会議において決定され(14年4月1日国家安全保障会議決定)、これに従って経済産業大臣が外国為替および外国貿易法の運用を適切に行うこととされている。