安倍晋三内閣の下で2013年12月17日に閣議決定された文書。国家安全保障戦略を日本政府が公式に策定したのは、これが初めてである。(1)策定の趣旨、(2)国家安全保障の基本理念、(3)我が国を取り巻く安全保障環境と課題、(4)我が国がとるべき国家安全保障上の戦略的アプローチからなる。安倍首相の唱導する「積極的平和主義」(一国平和主義を越えて、主体的に国際平和に関与する姿勢)の立場に立ち、力による現状変更を試みる中国などに対処すべく、統合機動防衛力や離島防衛の強化を提唱している。武器輸出三原則の見直しにも言及している。おおむね10年程度を念頭に置き、国家安全保障会議(NSC)で定期的に評価し、必要な修正を加えるという。この文書を踏まえて新たな「防衛計画の大綱」(→「防衛計画の大綱改定」)と「中期防衛力整備計画」が決定された。