民主党中心の連立政権である鳩山内閣が成立後、ただちに閣議決定により、「国民的な観点から、国の予算、制度その他国の行政全般の在り方を刷新するとともに、国、地方公共団体及び民間の役割の在り方の見直しを行うため」(行政刷新会議の設置について、2009年9月18日閣議決定)、内閣府に設置した会議。会議のメンバーは、内閣総理大臣(議長)、内閣府特命担当大臣(副議長)、そして、内閣総理大臣が指名する者および有識者である。具体的には、国の予算を精査して、その無駄を省くこと、および、国と地方の関係の見直しがこの会議の目的で、この会議の実際の担当者である内閣府特命担当大臣には仙谷由人が就任した。行政刷新会議は、10年度予算編成にあたり、その一部について事業仕分けを実施し、冗費の切り詰めを目指した。また、行政の無駄や不正情報を集める「ハトミミ.com」を設けた。
初めて行政刷新会議構想が登場したのは、民主党が野党であった09年5月。唱導したのは鳩山由紀夫で、小沢一郎代表の後継を選ぶ民主党代表選挙において、鳩山は「友愛の日本を創る最重点政策」を掲げ、「霞が関から市民への大政奉還」というタイトルのもとで、「『行政刷新会議(仮称)』を設置、すべての予算を精査することで、あらゆるムダを排除する」と唱えた。09年8月の総選挙では、民主党が提出したマニフェストに、「天下り、渡りの斡旋を全面的に禁止する。国民的な観点から、行政全般を見直す『行政刷新会議』を設置し、全ての予算や制度の精査を行い、無駄や不正を排除する。官・民、中央・地方の役割分担の見直し、整理を行う。国家行政組織法を改正し、省庁編成を機動的に行える体制を構築する」と明記した。
9月16日に成立した鳩山内閣は、発足に当たり「基本方針」を打ち出し、その中で首相は、「私の主宰で行政刷新会議を開き、政府の全ての予算や事業を見直し、税金の無駄使いを徹底的に排除するとともに、地方にできることは地方にゆだね、真の地域主権国家を築くための改革を推進します」と述べ、18日の閣議決定によって、行政刷新会議を立ち上げ、仙谷由人が担当大臣となった。10月6日に行政刷新会議のメンバーを決定し、内閣からは、鳩山首相(議長)、仙谷行政刷新担当相(副議長)、菅直人副総理兼国家戦略担当相、藤井裕久財務相、原口一博総務相、平野博文官房長官の6人が、民間からは、稲盛和夫京セラ名誉会長、茂木友三郎キッコーマン会長、片山善博前鳥取県知事、草野忠義元連合事務局長、加藤秀樹「構想日本」代表の5人が選ばれ、加藤秀樹が事務局長となった。