自由民主党の影の内閣は、谷垣禎一総裁が、野党転落直後の2009年にも打ち出したが、既存の政務調査会の部会も存在しており、「野党時代の民主党がやったから我々もやるということにはならない」との異論が出て見送られた。その後、自民党は10年4月に参議院選挙を目指して、その政策PRのため、影の内閣に準じた政権力委員会(ネクスト・ジャパン)を組織した。しかし、自民党が民主党に勝利した参議院選挙後の10年9月に、自民党はシャドウ・キャビネット(影の内閣)を設けて、与党民主党に対して政策で対決することとなった。政務調査会の各部会長が「閣僚」を務め、衆参両院の委員会理事を兼務することとした。これに伴い、政権力委員会(ネクスト・ジャパン)と、政調の政策決定機関だった政権政策委員会は廃止された。「影の内閣」は、当選5回前後の中堅が中心となっている。11年10月25日現在の「自由民主党シャドウ・キャビネット」のメンバーは、総理=谷垣禎一、官房長官=茂木敏充、総務=平井たくや、法務=柴山昌彦、外務(沖縄・北方領土)=小野寺五典▽財務=西村康稔、文部科学(科学技術政策)=下村博文、厚生労働=宮沢洋一(参)、農林=山田俊男(参)、水産=牧野たかお(参)、経済産業=菅原一秀、国土交通=望月義夫、環境=吉野正芳、防衛=今津寛、国家公安=竹本直一、内閣府(拉致問題・経済財政・金融・行革・公務員制度改革・地方分権)=竹本直一、内閣府(防災)=長島忠美、内閣府(少子化対策・男女共同参画・消費者・食品安全)=山谷えり子(参)。
また、12年に安倍晋三が総裁になってからのシャドウ・キャビネットのメンバーは、総理=安倍晋三、官房長官=甘利明、総務=井上信治、法務=稲田朋美、外務=三ツ矢憲生、財務=竹本直一、文科=義家弘介(参)、厚労=福岡資麿(参)、農水(農林)=江藤拓、農水(水産)=末松信介(参)、経産=新藤義孝、国交=北村誠吾、環境=吉野正芳、防衛=武田良太、国家公安=山谷えり子、内閣府(防災)=長島忠美、内閣府(消費者・少子化)=阿部俊子、復興=谷公一。