仲裁裁判とは異なり、独立した常設の司法機関によって法的拘束力のある判決が下される国際裁判。初めて設置された常設国際裁判所としては1908年の中米司法裁判所があるが、世界的な国際裁判所として本格的な活動を展開したのは、21年に国際連盟によって設立された常設国際司法裁判所(PCIJ)であった。第二次世界大戦後、連盟の崩壊に伴い名称を現在の国際司法裁判所(ICJ)と改めて、国連の主要司法機関とされた。両裁判所は独立した裁判所規程に基づくが、その内容や組織・建物・判例なども継承された。また20世紀後半には個人の人権を保護するための人権裁判所が複数設立され、20世紀末からは個人の国際犯罪を裁くための国際刑事裁判所が設立されてきた。ほかに地域的な裁判所としての欧州司法裁判所(EU裁判所)や、国連海洋法条約に基づく国際海洋法裁判所も設置されている。