紛争、テロ、国際的組織犯罪、自然災害、環境破壊、人権侵害、麻薬、貧困、感染症など人間の生命や安全を脅かす様々な地球的規模の脅威から、人間の生命、身体、安全、財産などを守ること。1994年の国連開発計画(UNDP)の人間開発報告書において提唱された概念。2003年5月、人間の安全保障委員会による最終報告書「安全保障の今日的課題」(“Human Security Now”)がアナン国連事務総長(当時)に提出された。これを受けて、04年9月、国連事務局人道問題調整部(OCHA)内に人間の安全保障ユニット(HSU)が設置された。HSUは、人間の安全保障基金の管理や、人間の安全保障諮問委員会の活動の普及・促進を行い、人間の安全保障に関する国際連合(国連 UN)の活動を統合する。日本は、「人間の安全保障」を外交政策上の重要な柱の一つとして位置づけており、国連事務局における「人間の安全保障基金」の設置を積極的に推進した。さらに06年10月より、人間の安全保障に関する共通理解の促進および国連における人間の安全保障概念の主流化に向けて、関心のある国や機関を対象とした非公式なフォーラムである「人間の安全保障フレンズ」を立ち上げている。