システミック作戦デザイン(SOD)理論をもとに開発されたアメリカ統合軍の作戦ドクトリンで、2008年公式に採用された。作戦デザインの作成は作戦術の重要な一部である。その狙いは、指揮官や幕僚が複雑な作戦環境を理解し、任務達成のための幅広い方策を概念的に理解することにある。その方法は、指揮官がまず問題を設定した後、概略の問題解決策(作戦アプローチ)を考える。問題設定にあたっては、作戦環境を包括的に理解することによって、前提、特に上級司令官の考え(戦略指針)や付与される手段・資源を批判的に検討する。検討結果は、(1)終末状態(end state)や戦略目標の確定に反映させるとともに、(2)作戦アプローチの決定に寄与する。このため、作戦デザインの内容については上級司令官や幕僚との反復的で継続的な対話が必要である。作戦アプローチは、作戦デザインの結論部分であり、終末状態に至るためにとるべき行動を幅広く提示したもの(終末状態・作戦重心・作戦目標など)である。これをもとに幕僚は作戦計画を策定する。