北朝鮮核開発問題で、第6回6者協議第2セッション(2007年9月27日~30日、北京)で採択された文書。2007年10月3日に発表された。6者協議共同声明を段階的に履行するため、同年2月13日に発表された「初期段階合意」で確認された「初期段階」に続く、「次の段階」でとられる措置が列挙されたかたちとなっている。合意内容はまず、北朝鮮が、寧辺にある5MW黒鉛型実験用減速炉、再処理施設、核燃料製造施設を2007年内に「無能力化」することであるが、その具体的作業はアメリカの専門家グループが主導するかたちになっており、そのための費用もアメリカが負担することになっていた。ここからも北朝鮮が、「無能力化」のプロセスに国際原子力機関(IAEA)よりも、アメリカを関与させようとする意図をみることができる。またこの合意では、北朝鮮が2007年内に「すべての核計画の完全かつ正確な申告を行う」とされ、「初期段階」で、高濃縮ウラン計画を含む「すべての核計画」の一覧表を提示するとされながら実現しなかったことを、「すべての核計画」の「完全かつ正確な申告」という形で北朝鮮に促し、核施設の「無能力化」をすすめることになっている。「初期段階合意」に示されているように、これらに北朝鮮が応じれば、重油100万トンに相当する規模を限度とする経済・エネルギーおよび人道支援を提供することになっている。これについては、「初期段階」が完了したとみなされた段階で、韓国が重油5万トンを輸送したのに続いて、中国が8月に「次の段階」に対応する重油95万トン相当の支援の一部を前倒しする形で5万トンの輸送を完了しており、残りの重油90万トン相当の支援が提供されることになる。また、この文書では、「初期段階合意」の再確認する形で、北朝鮮が上の措置をとれば、アメリカが北朝鮮をテロ支援国リストから除外し、敵国通商法の適用終了のための作業を開始するとしている。また、07年9月のイスラエル軍のシリア空爆に伴って、シリアが北朝鮮から核関連物質を調達しているとの疑惑が指摘されるなか、この文書では北朝鮮が核物質、技術およびノウハウを移転しないとの約束を確認していた。