1980年の第6回党大会以後、朝鮮労働党党大会は開催されていなかったが、2016年5月6~9日に37年ぶりに第7回党大会が開催された。北朝鮮は朝鮮労働党が指導する党国家体制であり、党の最高意思決定機関が党大会である。本来であれば定期的に開催されなければならないものだが、過去、第1回党大会(1946年8月)、第2回党大会(48年3月)、第3回党大会(56年4月)、第4回党大会(61年9月)、第5回党大会(70年11月)、第6回党大会(80年10月)という6回のみの開催であり、特に金正日(キム・ジョンイル)体制下では1度も開催されなかった。その代わり、党代表者会などが党大会を代替する形で開催されただけであった。そもそも、北朝鮮は党の上に首領が位置する首領制が採用されているため、党大会が開催されずとも国政運営に支障がなかったからである。また、金正日が「先軍政治」を掲げて軍に軸足を置き、党を軽視したため、あるいは党大会を開催して誇れるような実績がなかったためである、という理由が指摘されていた。しかし、金正恩(キム・ジョンウン)は党大会を開催すると2015年に予告し、16年5月に第7回党大会を開催し、核兵力建設と経済建設とを共に進める「並進路線」を提唱した(→「並進政策」)。自ら新たな役職である党委員長に就任し、政治の中心としての朝鮮労働党を整備し核兵力建設の実績を誇示すると共に、本来であれば両立するはずのない核兵力建設と経済建設との両立が可能であるというお墨付きを党大会開催によって勝ち取ろうとする意図があった。