1965年の独立以来、シンガポールで事実上の一党支配体制を維持している政党。54年に弁護士リー・クアンユーが中心になって結成した。リーはイギリス連邦自治州時代を含め通算31年間首相を務め、PAPは議会で議席をほぼ独占し続けた。この間、淡路島ほどの島国を開発独裁型の指導力で東南アジアにおける貿易・金融の中心地として繁栄させ、1人当たり国内総生産は先進7カ国(G7)を上回るアジア1の富裕国に成長させた。リーは90年に首相の座をゴー・チョクトン第1副首相に譲ったが、上級相に就任。2004年にはリーの長男リー・シェンロン(→「リー・シェンロン政権(シンガポール)」)が新首相に就任し、親子2代の首相となった。しかし、11年の総選挙では野党・労働者党が史上最多となる6議席を獲得して躍進。顧問相となっていたリー・クアンユーとゴー上級相は責任を取って辞任した。その後も12年5月の補欠選挙で野党が勝利するなど、長期政権への逆風が続いたが、建国50周年にあたる15年9月の総選挙では、議席数89議席のうちPAPが83議席を獲得して圧勝。最大野党である労働者党は伸び悩んだ。PAPは得票率でも69.9%と前回の60.1%から勢力を回復し、今後も長期政権を維持できるか注目される。