軍政の続くタイで、2017年4月6日、軍部の政治関与を強めた新憲法案にワチラロンコン国王(→「タイ王室」)が署名。同日公布・施行された。14年5月のクーデターで政権を握った軍政下の暫定政権(→「プラユット政権」)は、16年3月に新憲法草案を策定。旧憲法の首相を国会議員から選出する規定を廃止し、軍部から送り込めることになった。また民政復帰後も5年間を「移行期間」として、上院を公選制から任命制に切り替えた。草案は同年8月の国民投票で61%の賛成で承認された。だが、プミポン前国王の死去(→「プミポン国王死去」)により就任したワチラロンコン新国王が国王権限を強めるよう修正を求め、王室庁などが国王の直轄となるなどの修正を経て公布された。新憲法は民政移管に向けた総選挙の実施までの期間を最長19カ月としていたが、プラユット・チャンオチャ暫定首相は18年11月に総選挙を実施する方針を表明している。