2017年9月23日の総選挙で第2党となった労働党が、第3党のニュージーランドファースト党、第4党のニュージーランド緑の党と協力し、ジャシンダ・アーダーン(Jacinda Kate Laurell Ardern)労働党党首が第40代首相に就任。同国では9年ぶりに政権が交代した。NZファースト党が9月19日に労働党と連立すると発表し、緑の党は閣外協力に留まることで協議が成立。アーダーン氏は女性としては同国で3人目の首相となる。同氏が党首に選ばれたのは総選挙の50日前。世論調査の政党支持率で、与党・国民党に20ポイントも差を付けられていた。「この国の歴史を変える時」と情熱的に訴えたことが、長期政権に飽きを感じていた国民にたちまち浸透し、一気に接戦に持ち込んだ。選挙戦では、近年、悪化していた住宅問題の解消や教育支援を強調した。アーダーン氏は学生だった17歳の時、労働党に入党。卒業後、当時のヘレン・クラーク首相のスタッフとして働いた後、08年に国会議員に初当選した。経験不足との心配の声に、「挑戦する用意はできている」と断言している。労働党は環太平洋経済連携協定(TPP)の一部見直しを求めており、交渉への影響は避けられないとの不安が日本の政界・財界エリートの間では広がった。なお、首相として本格的に活動を始めたアーダーン首相は、18年1月に妊娠していることを公表。テレビ番組司会者の男性パートナーと暮らしており、産休後しばらくはパートナーが主夫となる予定。一国の現役首脳としては、1990年に当時36歳だったパキスタンのベナジル・ブット首相が、女児を出産したケースがある。