南北アメリカ大陸諸国間の国際関係、とくにアメリカ合衆国とラテンアメリカ諸国の関係をいう。20世紀初頭にはセオドア・ルーズベルト政権の棍棒政策(ビッグ・スティック政策)に代表されるように、アメリカは軍事介入を中心とする直接的干渉政策をとった。その後1930年代には、民族主義の盛り上がりを前にフランクリン.D.ルーズベルト政権が経済関係の緊密化による関係強化を目指す善隣外交を推進した。第二次世界大戦終了後、東西対立が進むと、47年に米州相互援助条約(リオ条約)を締結。翌48年に米州機構(OAS ; Organization of the American States)を結成するなど、ブロック化を進めた。OASはアメリカが圧倒的影響力をもつため、60年代に入ると、ラテンアメリカ自由貿易連合(LAFTA=60年成立)などラテンアメリカ諸国だけの地域協力機構設立の動きが強まった。90年代には新自由主義政策が浸透してアメリカの経済圏に組み込まれたことにより、その影響力が強まったが、21世紀に入るとアメリカ離れが進み、米州自由貿易圏(FTAA)構想に対抗する米州ボリバル同盟(ALBA)、南米諸国連合(UNASUR)、ラテンアメリカ・カリブ海諸国共同体(CELAC)など、独自の組織が成立・発展している。この動きを反映し、2009年6月の米州機構外相会議では、1962年に同機構から除名されたキューバの復帰が採択された。しかし、キューバは「アメリカの支配する米州機構は無用の長物である」として復帰の意向を示していない。