2012年3月4日に実施された、プーチンの大統領職復帰を決めた選挙(→「ロシア下院選挙(2011年)」)。与党「統一ロシア」が推薦したプーチンのほか、計5人が立候補者として登録された。また、プーチンの有力な対抗馬とみなされていたヤブリンスキー(リベラル派野党「ヤブロコ」元党首)を含め5人の候補者が推薦署名の無効を指摘され、登録を拒否された。11年12月の国家会議(下院)選挙での不正疑惑に端を発した市民による自然発生的な反政府デモ(→「反プーチン集会」)の余波が続く中、プーチンの劣勢が予想されたが、選挙不正の防止、汚職摘発強化、給与・年金保証など社会サービスの整備などの公約を矢継ぎ早に打ち出し、63.60%の得票率で次点のジュガーノフ候補(共産党党首、17.18%)を圧倒。決選投票に持ち込まれることなく終わったことで、与党勢力の安泰を印象づけた一方、政権の長期化も懸念されている(→「メドベージェフ首相就任(2012年)」)。投票当日の夜にクレムリン近くの広場で開かれた支持集会で、勝利宣言をするプーチンが涙を見せたことが話題となった。5月7日、就任式を実施しプーチンが正式に大統領に復帰。