2014年4月17日、ウクライナ危機の当事国ならびに関係主体により発表された、事態の鎮静化への方向性を示した文書。正式には「ウクライナに関するジュネーブ声明」。(1)全ての当事者による暴力・挑発・威嚇行為の自制、(2)非合法武装勢力が武装解除し、不法占拠建物が返還されるべきこと、といった努力目標を示したほか、(3)OSCE(欧州安全保障協力機構)特別監視団が事態鎮静化に向けた主導的役割を担うこと、(4)地方制度や政治のあり方を含めた全ウクライナ的な対話の実施、(5)ウクライナの経済・金融の安定化に向け追加支援の協議に備えることが明記された。文書発表直後より、ウクライナおよび親ロシア派勢力双方から履行違反とみなしうる武力攻撃が続き、また、ロシアも演習等を理由にウクライナ国境に軍を集結させたことから、実効性は低かった。しかし、当該危機の和平基準を示した国際文書として、9月のミンスク議定書とともに重視された。(→「人民共和国(ウクライナ)」)