温室効果ガス濃度の増加に伴う気候変動を防止するための枠組みを規定した条約。1992年に採択され、同年6月の地球サミットで署名を開始し、94年3月に発効。条約の究極の目的は、大気中の温室効果ガス濃度を気候系に危険な影響を与えない水準で安定させること。条約では「共通だが差異のある責任」という考えに立ち、先進国により多くの義務を課している。全加盟国によって構成される締約国会議(気候変動枠組条約締約国会議、COP Conference of the Parties to the UNFCCC)が、条約の実施に関する意思決定機関である。条約に基づく京都議定書が2005年2月に発効したが、条約の究極目的を達成するためには、京都議定書以降の中長期的目標とその取り組みについて国際社会で協議することが急務(→「ポスト京都議定書」)。EUでは、産業革命前と比べ温度上昇を2℃以内に抑制することを長期目標としている。日本でも温暖化の長期目標とその達成方策を検討する「脱温暖化2050プロジェクト」が進められている。