人口静態とは、ある一時点における人口のありさま(ストック)のことで、人口規模と人口構造で示される。人口規模とは、人口総数のことで、1国にふだん住んでいるすべての人を指す場合は総人口という。人口構造には、属性と地域分布の2つの側面がある。属性とは、男女、年齢、配偶関係(未婚、有配偶、離別、死別)、国籍などである。日本の人口静態は、5年ごとの国勢調査などにより把握される。これに対し、人口動態とは、ある二時点間における人口の変化(フロー)のことをいい、この二時点の期末人口と期首人口の差を人口増加数という。人口増加数は、「人口増加数=(出生数-死亡数)+(流入数-流出数)」という式でも求められる。出生と死亡の差を自然増加、流入と流出の差を社会増加あるいは純移動とも呼ぶ。出生と死亡、また、これらと関係の深い婚姻、離婚、死産については、厚生労働省による人口動態統計によって把握される。