商品の生産から流通、販売までの過程を、最終商品からさかのぼることができるシステムのこと。トレース(追跡)とアビリティー(できる)の合成語である。BSE(牛海綿状脳症)感染牛の安全性確保のために牛肉に義務付けられた。「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」により2004年12月1日以降に食肉処理された牛の精肉などには個体識別番号が表示される。この番号は、国内で誕生した牛と生体で輸入された牛には10けたの識別番号が印字された耳標が装着され、この番号に従って、性別、品種、処理年月日がデータベースに登録される。消費者は、商品に表示された識別番号をインターネットで検索することでこれらの情報を入手することができる(URLはhttp://www.nlbc.go.jp)。JAS制度においても、生産情報公表JAS規格としてトレーサビリティーを制度化しており、牛肉、豚肉、農産物、一部の加工食品(豆腐、コンニャク)が規格化されている。10年秋には、米のトレーサビリティーも導入される。