防災基本計画は、災害対策基本法に基づき、中央防災会議が作成する日本の防災に関する基本的な計画である。1963年に作成され、95年の阪神・淡路大震災の発生や99年の原子力災害対策特別措置法の制定に伴って改訂が行われた。災害の種類に応じて編立てされ講じるべき対策が容易に参照できるような構成となっており、阪神・淡路大震災を契機として、特に第2編の「震災対策編」が全面改訂されたが、問題点が残っている。それは、予防と応急対応の内容の豊かさに比べて、復旧・復興の記述が簡単すぎることである。震災では住宅の再建を始め、多くの復興課題が被災者を苦しめるので、もっと詳しく解説する必要があろう。地域防災計画はこれを受けて自治体が単独で、あるいは複数の自治体が協議会を作って制定するものであって、毎年検討を加えて改訂することになっている。これらの計画では、国、自治体間のそれぞれの部局間での連携が問題となるが、柔軟かつ横断的な対応が困難である欠点を有している。そこで、長期的な防災戦略の下で目標を定め、具体的なアクションプランを策定する自治体が増えている。なお、東日本大震災を教訓として2011年12月の防災基本計画改定で、震災対策編が「地震災害対策編」になり、この編から「津波災害対策編」が独立した編としてまとめられ、全体で16編構成となった。12年4月以降、都道府県レベルの改訂作業を経て、地域防災計画に反映されるようになってきた。