地震等の自然災害によって被災者の生活再建費用の一部を政府と自治体が負担する制度である。阪神・淡路大震災を教訓として、自然災害によりその生活基盤に著しく被害を受けた場合、経済的理由から自立した生活を再建することが困難な者に対して、都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用して、支援金を支給することにより(国は2分の1を補助)、自立した生活開始を支援することを目的とする。1998年に議員立法で成立し、2004年に改正された。その結果、家屋の全壊、大規模半壊した世帯を対象として、年収等の要件を勘案し、生活再建支援金100万円、居住安定支援制度による支給額200万円の計300万円を上限とする支援が可能となった。さらに、能登半島地震、新潟県中越地震の経験をふまえた改正(07年11月)により、従来不可能であった住宅の再建や購入も対象となり、また年齢、年収要件の撤廃が実現した。10年9月には、被害が広域的に散在している場合にも対応できるように適用要件を緩和する改正が行われた。複数の都道府県で被害が発生した場合、被災市区町村の人口規模に応じて住宅全壊被害に基づく支援金の給付を行うことになった。なお、基金の拠出は、都道府県の相互扶助の観点から、国50%、都道府県50%となっているが、支出総額2772億円(13年8月31日現在)のうち東日本大震災では国が80%を負担し、基金の破たんを回避している。