粒子線による治療は、水素、炭素等を高速で照射してエネルギーをがん病巣に集中させるため、正常組織を傷つけずにがん細胞を破壊することができる。陽子線治療では、水素の原子核(陽子)を加速してがん病巣に打ち込む。身体表面ではエネルギーを出さずに、一定の深さに達した後にエネルギーを放出するため、病巣部を狙い撃ちした照射が可能で、従来の放射線療法とは異なり副作用が少ない。また、炭素の原子核を用いるものは重粒子線治療と呼ばれる。早期の肺がんでは、1日1回1~2分の照射、肝臓がんなら1~2回、前立腺がんなら20回の照射で済む。