全身の骨から発生する非上皮性悪性腫瘍のことで、骨肉腫ともいわれる。頻度はすべての悪性腫瘍(がん)の0.2%であり、人口10万人に約0.8人の発生率で、年間約1000人程度の患者が発生している。骨肉腫やユーイング肉腫は20歳代に多く、軟骨肉腫などは高齢者に多い。骨肉腫はひざ周辺や上腕などの長管骨(ちょうかんこつ)に、軟骨肉腫やユーイング肉腫は骨盤、脊椎、肩甲骨、肋骨などの躯幹骨(くかんこつ)に比較的多く発生する。特徴は、通常の悪性腫瘍に比較して若年者に多く、リンパ節転移は少ないが、肺などへの血行性転移が多く見られることである。また、発生頻度が少なく、まれな腫瘍ではあるが、組織型や悪性度が多彩で、正確な病理組織診断が難しい。治療には手術のみならず全身化学療法、放射線治療が必要になる場合もあり、専門医による集学的治療がきわめて重要である。