陰茎(ペニス)にできる、まれながんである。生殖器の不衛生、包茎や亀頭包皮炎などが原因といわれている。また、陰茎がんの夫を持つ妻が、子宮頸がんになる確率が高く、ヒトパピローマウイルスの関与も示唆されている。最初は痛みをともなわない腫瘤として認められるが、進行すると尿道を侵すため、排尿困難や潰瘍(かいよう)形成、出血などが見られる。大腿のつけ根(そ径部)のリンパ節に転移を起こしやすく、リンパ節が硬化して、しこりが感じられるようになる。リンパの流れも悪くなり、下肢の浮腫を起こすことがある。がんの発生する場所が場所だけに、早期発見が遅れることもある。腫瘤の組織検査(生検)で確定診断をつけ、治療の基本は外科手術や放射線治療となる。必要に応じて、そ径部や骨盤内のリンパ節を郭清(かくせい)する場合もある。術前後の化学療法もある。