全身の細胞で消費するエネルギーは、栄養素を酸素で燃焼(細胞呼吸)して得られる。栄養素は消化器(小腸)で取り込み、酸素は呼吸器(肺)で取り込んで、血液循環によって全身に分配される。人体には体重の8%ほどの血液が含まれており(体重60キロの人で、約5リットル)、心臓は安静時に毎分70回ほどの拍動で、5.5リットルほどの血液を拍出する。心臓から血液を送り出す血管は動脈(artery)、心臓に血液を戻す血管は静脈(vein)である。人体には血液の循環回路が二つあり、一つは全身に向かう体循環であり、もう一つは肺に向かう肺循環である。心臓も、肺に血液を送り出す右心と全身に血液を送り出す左心の、二つのポンプに分かれている。右心から肺に送り出された血液は、左心に戻り、そこから全身に送り出されて、右心に戻る。肺では、血液中の二酸化炭素を空気中に送り出し、空気中の酸素を血液に取り込む。肺からの血液が全身を一巡する際に、血液中の酸素が消費され、燃焼によって生じた二酸化炭素が血液に戻される。小腸で吸収されたブドウ糖・アミノ酸などの栄養素は、門脈を通って肝臓に集まり、そこから静脈に注ぎ込む。小腸など腹部の消化器に送られる血液量は、安静時で心拍出量の25%ほどになる。