マイコプラズマという、最も小さい細菌によって起こる細菌性肺炎である。呼吸困難によって死に至るような肺炎球菌による細菌性肺炎とは、その重症度が明らかに異なる。幼児などの若年者にもみられるが、青年期の患者も少なくない。症状は、発熱、全身倦怠感(けんたいかん)から始まり、乾いたコンコンという咳(せき)が止まらない。患者はこの咳に苦しむが、全身状態は比較的保たれている。ときに重症肺炎に移行することがあり、また中耳炎、髄膜炎、脳炎などの合併症もある。マイコプラズマにはマクロライド系の抗生物質が有効であり、なかなか治らない咳が続くときは内科専門医に受診すべきである。