体重が標準値を超え、高血圧症、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病などの生活習慣病を有している場合、肥満症という病気として考え、単なる肥満と区別している。体重(キロ)/身長(メートル)の二乗をBMI(Body Mass Index ; 肥満指数)というが、この数値が22のときが最も病気の少ない状態とされ、この体重を標準体重と呼ぶ。日本肥満学会では、従来BMIが22の2割増の26.4以上を肥満としてきたが、1999年10月の学会で、25以上で糖尿病、高血圧症、高脂血症、内臓脂肪の増加のいずれかの合併があれば肥満症として治療の対象にすべきだと勧告した。2002年の厚生労働省国民栄養調査においては、50歳代の肥満者の増加が顕著であり、次いで30歳代、60歳代となっている。女性は全年齢で横ばい状態であった。一方、厚生労働省研究班(主任研究員、津金昌一郎国立がんセンター・臨床疫学研究部長)が1990年より10年間、全国の約4万1000人を対象に追跡調査を行い、肥満と死亡率の関連を見た。男性では、BMIが23~24.9の人の死亡率が最も低く、それより肥満の側でも、やせの側でも死亡率は上昇するが、やせのほうがその上昇率は高かった。女性では、BMIが19~24.9の人の死亡率が最低であった。肥満症の治療には、食事療法と運動療法が基本になる。