致命的な不整脈である心室細動や、持続性の心室頻拍を自動的に感知し、その不整脈をとめる電流を放電する、体内埋め込み型の装置。病院内で使われている除細動器をオートマチック化し、一般の人も使用できるようにした自動体外式除細動器 (AED ; automated external defibrillator)を、さらに小型化したものである。心室細動や心室頻脈の発作を起こしやすい、ブルガダ症候群という病気では、夜間、睡眠中に発作を起こすケースが多いといわれている。そういった発作に対応するには、救急病院やAEDだけでは困難なので、ICDのニーズがある。発作時のみ作用するペースメーカーのようなものと考えると理解しやすい。埋め込み時に手術が必要であり、現在の蓄電技術では、5~8年ごとに電池入れ替えのための手術も要する。費用は数百万円かかるが、保険や高額医療補助などが適応され、自己負担は限られる。