突然、致死的な不整脈である心室細動を起こし、失神や死亡することもある、原因不明の病気。1992年、バルセロナ大学のブルガダ医師らが報告したため、この名称が使われるようになった。従来、日本でぽっくり病などと呼ばれていた症例の中にも、本症候群に含まれるものがあると考えられる。日本人や東南アジア人に多く見られ、日本では9割以上が男性である。心臓の細胞膜にある、イオンチャンネルと呼ばれるたんぱく質の遺伝子異常が、患者の何割かで確認されているが、その他の患者では確認されないため、複数の病因があると推定されている。突然の失神発作で発覚するケースが大半で、患者には特徴的な心電図の変化が認められる。しかし、健常人でも同様の変化が認められることもあり、そのような変化があっても大部分は発作を起こさない。一度でも発作を起こした患者は、再発する可能性が高いので、植え込み型除細動器(ICD)による治療の選択が必要となる。