受精卵の全染色体を最新技術で調べ、異常の無いものを子宮に戻し、異常が認められたものを使わないようにするふるい分け検査。体外受精で3回以上着床しなかったり、流産を2回以上経験した女性を対象に実施される。この方法で妊娠率が向上するかを調べるため、2014年に日本産科婦人科学会が臨床研究の実施を認めた。35歳以上の妊婦、または染色体異常の子どもを妊娠した経験がある妊婦を対象とした新型出生前診断は、母親の血液で胎児の染色体異常の有無を調べる。対して着床前の受精卵の検査は体外受精させた受精卵を育て、分割した段階で一部の細胞を取り出して染色体を調べる。この特定の染色体だけを調べる着床前診断は、これまでも夫婦どちらかに重い遺伝病がある場合などに限って認められていた。しかし今回の着床前スクリーニングは、同学会が禁止していたすべての染色体を調べる検査である。性別や、さまざまな病気が判明するため命の選別につながるとの批判があるが、出生前診断のように産むべきかどうかの選択を迫られないなど、女性の精神的・肉体的な負担を軽減するという見方もある。