柴胡(さいこ)、芍薬(しゃくやく)、枳実(きじつ)、甘草(かんぞう)の4つの生薬で構成される処方。こむら返りや筋肉けいれんに有効な芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)が含まれているため、腹痛、筋肉痛、肩こり、首の痛みなどに有効である。セリ科のミシマサイコの根である柴胡には、鎮痛、抗炎症、抗アレルギーの作用を始め、ステロイド様作用、免疫系に対する作用、ストレスによる消化性潰瘍(かいよう)防止の効果などが報告されている。また、ミカン科のダイダイの果実である枳実は、生命活動を営むエネルギーである気(き)のめぐりをよくする作用が強い。抗ストレス作用がある柴胡と枳実に、痛みに対する芍薬甘草湯が配合されていることで、体力が中等度以上の人のストレスが原因で起こる多彩な症状に有効である。過敏性腸症候群、胃炎、胃・十二指腸潰瘍、神経症や抑うつ状態などに用いられる。慢性副鼻腔炎や気管支炎などにも応用される。