原子炉内の放射性物質の環境への漏出を防ぐための建物。3cmほどの厚さの鋼鉄の鍛造材で作られ、事故時の破壊を免れるため、さまざまな冷却系や減圧装置が付属しているが、それでもなお大破壊が予想される場合には、放射性物質を含んだ建屋内の気体をベント(vent 排気)して格納容器内の圧力を減らす必要があると考えられるようになった。ヨーロッパでは、フィルターの付いたベント装置が設置されたが、日本ではもともと炉心溶融は起きないとされていたし、まがりなりにも付けられたベント装置にはフィルターすら設置されていなかった。福島第一原子力発電所の事故を受けて作られた新規制基準ではフィルター付きベント装置の設置が義務付けられたが、格納容器の体積が大きい加圧水型炉については、5年の猶予が与えられた。