核分裂反応の、臨界状態からのずれを示す尺度を反応度という。臨界状態が維持されている場合の反応度はゼロ、反応度が正の場合を臨界超過(supercriticality)、負の場合を臨界未満(subcriticality)という。原子炉に予期せぬ反応度が加えられることにより起こる事故を、反応度事故あるいは臨界事故と呼ぶ。加えられる反応度が大きければ、1986年4月の旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所事故(Chernobyl accident)のように原子炉が破壊される。2007年3月には北陸電力の志賀1号原子力発電所で、1999年に臨界事故が起きていたことが発覚した。その後の調査で、東京、東北、中部など沸騰水型炉(BWR)を採用した各電力会社で軒並み臨界事故が起きていたことが分かり、BWRの致命的な欠陥が露呈することとなった。