原子力を推進する国や電力会社は、高経年化という用語を使うが、原子力発電所も機械であるので次第に劣化し、老朽化する。特に原子炉圧力容器は中性子の照射を受けて劣化が進むうえ、交換ができないため、寿命を決定する最重要の機器である。従来、圧力容器が照射脆化で劣化することを考慮して耐用年数を30~40年としてきたが、原子力発電所の新規立地が難しく、安全余裕を削って寿命を延長させる動きが出てきた。アメリカでは40年の運転許可期間を20年間延長して60年にする許可が多数の原発に与えられてきた。日本でも、12年6月には原子炉等規制法が改正され、原子力発電所の耐用年数は原則40年、例外として最長20年までの延長を認めるとなった。