ウラン鉱山で、ウラン鉱石を採掘するときに生じるウラン濃度が比較的低い廃棄物。鉱石に比べ10~20倍の量が生じ、製錬で生じる鉱滓(こうし)とともに鉱山周辺に野ざらしで捨てられてきた。長期間を考えれば人類に最大の被曝を与える。人形峠周辺では、旧核燃料サイクル開発機構の事業所外にも20万m3を超える残土が捨てられており、住民は撤去を求めて2002年になって裁判に訴えた。その結果、撤去を命じる判決が04年10月最高裁で確定した。しかし、その後も日本国内には撤去先が見つけられず、ウラン濃度の高い290m3分は05年9月にアメリカ先住民居留地に搬出された。最高裁で撤去命令が確定した残りの2710m3の残土は事業所に隣接した鳥取県有地に移動、08年4月からレンガに加工する作業が始まり、10年12月13日に145万個のレンガを製作して終了した。しかし、レンガにしても放射能がなくなるわけではない。製作したレンガは11年6月までに、52万個を各地の原子力機構自身の敷地に移し、93万個は一般領付したという。