発電する方法には、火力、水力、太陽光、風力そして原子力などさまざまなものがあり、それぞれに固有の廃棄物が出る。このうち、原子力が生み出すものは放射性物質であり、自然は放射能の浄化作用をもたない。したがって、本来自然界に「棄ててはならない」ものであり、「廃棄物」ではなく「廃物」と呼ぶべきものである。日本では、それを地下に埋めることにしており、すでに、放射能汚染の程度が低い低レベル放射性廃棄物は青森県の六ヶ所村に埋めてきている。また、高レベル放射性廃棄物と呼ばれる使用済み燃料、あるいはそれを再処理した後のガラス固化体についても、どこかに埋めると法律で定めてはみたものの、受け入れ先がないまま事業が頓挫している。そこで、最近になって、電気を得るためには放射性物質の発生が避けられず、国民全体に責任があるかのように、放射能をもつごみを「電気の廃棄物」と呼びはじめている。