地震によって原子力発電所が大事故を起こせば、被害は破局的になる。特に日本は世界一の地震国であるうえ、近い将来必ず起きると予測されている「東海地震」の予想震源域の真ん中に中部電力の浜岡原子力発電所がある。いかなる地震が起きても原子力発電所は壊れないと国や電力会社は言ってきた。しかし、根拠のない説明を支えきれずに、浜岡原発では2005年1月から「耐震裕度向上工事」なる名のもと補強工事が始められてきた。しかし、実際の原発震災は、11年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)によって福島第一原子力発電所が破壊されたことで引き起こされた。この事故では、政府の事故対策組織がまともに機能せず、情報の住民への伝達、住民の避難など、多数の点で欠陥があることが露呈した(→「福島第一原子力発電所事故」)。