2011年に引退したスペースシャトルに代わる、アメリカの新しい有人宇宙船。アポロ型のカプセル宇宙船で、人が乗るカプセルと後部に付くサービス・モジュールからなり、打ち上げ時重量は約25トン。直径はアポロの3.8メートルから5メートルと大型化されている。内容積はアポロの約2.5倍で、最大6人の宇宙飛行士が搭乗できる。有人月探査では4人が搭乗する。14年から運用を開始することになっていたが、重量増加など設計トラブルが続き、運用開始は17年以降にまでずれ込んだ。10年2月1日、オバマ大統領はオリオンの開発中止を表明。その後、オリオンはオバマ宇宙政策での、深宇宙有人探査用宇宙船「オリオンMPCV」として復活した。オリオンMPCVは、14年12月に最初の無人打ち上げを実施。デルタ4ロケットで打ち上げ、惑星間空間からの高速の再突入を模擬した大気圏再突入を行った。次の打ち上げは18年末を予定。SLS初号機による無人打ち上げで、月の裏側を通過した後、地球に帰還する計画となっている。