ESA(欧州宇宙機関)が運用していた国際宇宙ステーション(ISS)向け無人補給船。アリアン5ロケットで打ち上げられる。7.7トンの物資を運ぶ能力を持つ。JAXA(宇宙航空研究開発機構)のこうのとり(HTV)と異なりISSのロシア側ドッキングポートに接続される。また、軌道上の微小な空気抵抗で高度が落ちていくISSを、再度持ち上げるためのロケットエンジンも装備している。2008年3月9日に1号機「ジュール・ヴェルヌ」が打ち上げられ、2号機「ヨハネス・ケプラー」(11年2月16日打ち上げ)、3号機「エドアルド・アマルディ」(12年3月23日打ち上げ)、4号機「アルベルト・アインシュタイン」(13年6月6日打ち上げ、5号機「ジョルジュ・ルメートル」(14年7月29日打ち上げ)と、順調に運用を重ねた。15年2月15日にジョルジュ・ルメートルが大気圏に再突入し、運用を終了した。なお、ESAは13年1月に、ATVの代わりにアメリカの「オリオン」宇宙船の開発に機械モジュールを担当して参加することを決定。今後はオリオン機械モジュールでアメリカとの国際協力を継続していく。