JAXA(宇宙航空研究開発機構)が開発している、GPS補完衛星。1日8時間、ほぼ日本の上空にとどまる準天頂軌道に打ち上げて、アメリカの測位衛星システムGPSと同じ信号を発信する。GPS(global positioning system ; 全地球測位システム)は最低3機の衛星からの電波を受信しないと測位ができない。そこで都市部や山間部などGPS衛星からの電波を遮る高層建築物や地形の多い地域に天頂から電波を落とすことで、測位可能地域の拡大と測位精度の向上をねらう。2010年9月11日にH-2Aロケットで打ち上げられた。11年末には、みちびきの測位信号を利用可能な携帯端末の一般向け販売も始まった。12年、政府は、(1)10年代後半に予備機を含む衛星4機体制を整備、(2)静止軌道に打ち上げる測位衛星を加えて、将来は7機体制で東アジア地域で常時測位を行える体制を整備する、と決定した。さらに15年1月に策定された宇宙基本計画では、東アジアからオセアニアにかけて、GPSなしの単独システムでも測位を可能にする7機体制を整備することが決定した。