アメリカ通信販売大手であるアマゾンのジェフ・ベゾスCEOが、2000年に設立した宇宙ベンチャー。低コストの宇宙輸送システムの開発を目指しているが、極端な秘密主義を取っており、その活動には謎が多い。06年にはロケットエンジンで垂直離着陸を行う再利用型の実験機「ゴダード」を初飛行させた。11年には2番目の機体「ニュー・シェパード」の飛行に成功。ニュー・シェパードは11年8月に墜落事故を起こしたが、15年4月には有人型ニュー・シェパードを高度94キロに到達させ、無事に有人モジュールを回収することに成功した。また、地球周回軌道に入る有人宇宙船の開発も行っており、NASA(アメリカ航空宇宙局)の補助金による民間有人宇宙船開発促進計画「CCDev」にも途中まで候補として参加していた。これらの機体のための各種ロケットエンジンも開発しており、もっとも大きな推力200tf級のエンジン「BE-4」は、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)の新ロケット「ヴァルカン」への採用が決まっている。16年9月、衛星打ち上げ用大型ロケット「ニュー・グレン」を開発し、20年から運用を開始すると発表した。