COTS計画と同様に、開発補助金を官から出資することにより、民間活力によって有人宇宙船の開発を促進することを狙ったNASA(アメリカ航空宇宙局)の計画。2009年9月に計画が発表され、10年2月1日にNASAは第一段階の「CCDev1」として、5社を選定したことを発表した。
選ばれたのは、シエラ・ネバダ・コーポレーション(航空宇宙電子機器大手。7人乗り有人宇宙船「ドリームチェイサー」の開発に2000万ドル)、ボーイング(7人乗りカプセル型宇宙船の開発に1800万ドル)、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ボーイングとロッキード・マーチン社のジョイント・ベンチャー。デルタ4/アトラス5ロケットの有人対応化に670万ドル)、ブルー・オリジン(ネット流通大手のアマゾンCEOのジェフ・ベゾスが経営する宇宙ベンチャー。緊急脱出システムと複合材料性部品の開発に370万ドル)、パラゴン・スペース・ディベロップメント(宇宙用熱交換機器、環境維持機器メーカー。有人宇宙船向け空気循環装置の開発に140万ドル)の5社。
11年4月、NASAは第二段階の「CCDev2」で、4社を選定したと発表した。選ばれたのはブルー・オリジン社(有人宇宙船緊急脱出システムとエンジン開発に2200万ドル)、シエラ・ネバダ・コーポレーション(ドリームチェイサー開発に8000万ドル)、スペースX(有人型ドラゴン宇宙船用緊急脱出システム開発に7500万ドル)、ボーイング社(カプセル型有人宇宙船CST-100開発に9250万ドル)。
12年8月にNASAはCCDev第三段階に相当する「CCiCap(Commercial Crew integrated Capability)」の選定結果を発表した。補助金を得たのは、シエラ・ネバダ・コーポレーション(ドリームチェイサー開発に2億1250万ドル)、スペースX(有人型ドラゴン開発に4億4000万ドル)、ボーイング(CST-100有人宇宙船開発に4億6000万ドル)の3社だった。14年9月、NASAは実機開発に進む2社として、スペースXとボーイングを選定した。共に18年の初飛行を予定している。