ヨーロッパが、現行のアリアン5ロケットの後継機として開発する次世代ロケット。2021年の運用開始を想定している。固体ロケットブースターが2本の「A62」と4本の「A64」の2形式があり、打ち上げ能力は静止トランスファー軌道に最大10.5トン。当初はフランスが、第1段と第2段に共通の固体ロケットモーターを使用、第3段に高性能の液体酸素・液体水素エンジンを使用するなど、低コストを徹底した設計を主張し、13年3月に、一度は第1段と第2段が固体で第3段が液体酸素・液体水素の液体ロケットという構成が決まった。しかし、フランス案に対して、ドイツと欧州宇宙産業大手のエアバスとサフランが、過去のロケット技術が継承されない上に、コスト的にもスペースXのファルコン9(→「ファルコンロケット」)などのライバルに太刀打ちできないといった理由で反発。14年6月には、エアバスとサフランが液体酸素・液体水素の1段の横に固体ロケットブースターを装着する案を独自に公表する異例の事態となった。同年12月、ESA(欧州宇宙機関)は方針を変更し、エアバス・サフランの案に沿った形式のアリアン6を開発する決定を下した。