CFMインターナショナルが開発を開始した新世代の小型旅客機用ターボファン・エンジン。LEAP-X(リープ-X)の量産型。LEAPは先端技術航空機用推進装置(Leading Edge Aviation Propulsion)の頭文字で、2016年の型式証明取得を目指して作業が進められている。ファンを通る空気のうち、エンジンの燃焼に使わずに外側を通す空気流の比率であるバイパス比を9対1クラスと大きくし、新しいコア・エンジン技術を採り入れ、またエンジン・システム全体を効率化することで、従来の同級エンジンに比べて16%の燃料効率改善を実現する。ファンには、三次元織物トランスファー・モジュールによる全く新しい空力を備えたものを使用し、新技術の圧縮機や燃焼室により燃費を抑えるだけでなく、排気物質の低減や騒音の低下も図る。エアバス、ボーイングともに次世代の単通路旅客機の開発を検討しているが、両社とも実現できるかは高効率エンジンの開発にかかっているとしており、このエンジンの開発が成功すれば新型単通路機の開発に拍車がかかることになる。エアバスは10年12月1日にA320ファミリーの新世代化(neo)計画を発表し、CFM56エンジンに代えてこのLEAP-Xを選択エンジンの一つ(名称はLEAP-1A。もう一つはピュアパワーPW1100G)とすることを決めた。エアバスA320neoファミリーは、16年春に引き渡しを開始する予定である。ボーイングも、次世代737の新エンジンに使用することを11年8月30日に決定し、ボーイング737 MAXの名称で開発を開始した。737 MAX用にはファン直径を小さくしたLEAP-1Bが用いられる。