金属のような導体と絶縁体との中間の電気抵抗を持ち、そのキャリア濃度が、ある温度範囲で温度とともに増加するような電子、正孔あるいはイオン伝導性の物質。代表的な半導体にシリコン、ゲルマニウム、ガリウム・ヒ素などがある。半導体は一般にごく微量の不純物の添加によって電気伝導度が大きく変化し、その添加量を変えることにより電気伝導度を5~10ケタ程度の範囲で制御できる。
また不純物の種類により、主に負の電荷をもつ電子が電流を運ぶn型半導体と正の電荷をもつ正孔が電流を運ぶp型半導体の二つに大別される。不純物を含まないものを真性半導体といい、一般に電気伝導度が小さく絶縁体と似た性質をもつ。
半導体は電気的・光学的な特性をもち、大規模集積回路(高密度集積回路 LSI)から、トランジスタ、発光ダイオード、半導体レーザー、太陽電池などさまざまなセンサーなど多くの電子デバイスが作られている。また、20世紀後半から最近の半導体技術の進歩はあらゆる産業に大きく寄与していることから産業のコメともよばれている。