絶縁膜界面に電荷がたまる現象(チャージ・トラップ)を利用した不揮発メモリー。初期のEPROMではこの現象を利用して書き込みを行い、紫外線を照射して電荷を逃がして消去をするタイプも検討された。これを電気的に消去できるようにしたのがこのチャージ・トラップ型フラッシュメモリーである。2011年にエルピーダ・メモリーから4Gビットチップが世界で初めて発売された。
たとえばシリコン酸化膜と窒化シリコン膜などの絶縁膜界面へのチャージ・トラップ現象は1960年代に既に発見されていたが、電荷のトラップと消去特性の制御が難しく、その実用化はなかなか進まなかった。しかし、現在主に使われているフローティング・ゲート型フラッシュメモリーは、寸法縮小の限界が近いと考えられており、その限界を超えるメモリーの開発競争が各社の間で繰り広げられている。今後市場でその優劣が判断されるであろう。