青または緑色の波長で発光する発光ダイオード(LED)。2014年のノーベル物理学賞の受賞理由は「明るい・省エネルギーの白色光を可能にした、青色発光ダイオードの発明」となっている。窒化ガリウム(GaN)系の化合物半導体が登場する以前のLEDでは、短波の限界は間接遷移半導体のガリウム・リン半導体に窒素を添加することによる黄緑色の波長であり、発光効率も低かったのに対し、直接遷移半導体であるGaN系半導体(→「窒化ガリウム」)とその混晶の高品質化により、青色や純緑色で発光する高輝度のLEDが得られるようになった。これにより赤、緑、青の光の三原色を発する素子がすべて高効率・小型・長寿命のLEDによって実現され、自発光LEDディスプレーやLEDプロジェクターが実用化された。また、照明用として普及が始まった白色LEDのうち最も多く生産されているものは、青色LEDに黄色に発光する蛍光体を被せたものであり、発光効率が蛍光灯を上回る製品も市販されるようになった。