1987年に、アメリカのテキサス・インスツルメンツ社によって開発された反射型の表示素子で、MEMSの一種である。半導体型反射デバイスともいう。シリコンの基板上に十数ミクロン角の超小型反射板をマトリックス状に数十万から数百万個組み込み、個々の反射板の傾きをデジタル制御で切り替えて、特定方向への反射光をオン・オフして画像を表示する。輝度制御はオン・オフ時間の調節により行うが、切り替え速度が非常に高速なので十分な階調性と高速表示が可能である。DMDは高い反射率を有し光の利用率が高いため、プロジェクターに組み込んだ場合には高輝度の画像表示が可能であり、明るい部屋でも高精細な画像を鮮明に映写できる。DLP(digital light processing)プロジェクターという商品名で市販されている。