紫外線の中でも波長の短い深紫外光(200~350 nm程度)を出射する発光ダイオード(LED)。窒化物半導体のGaN(窒化ガリウム)とAlN(窒化アルミニウム)の混晶であるAlGaNを発光層とすることにより、原理的には深紫外のほぼ全域に対応できる。近年、結晶成長技術やAlN基板製造技術の進展により発光効率が大きく向上した。深紫外線LEDの用途としては、深紫外光の殺菌効果を利用した上下水の消毒、医療分野における器具の殺菌などの他、工業用途としては紫外線硬化樹脂による接着や塗装の工程において従来の水銀ランプに置き換わることが考えられている。水銀ランプに比べ、低消費電力、ウォーミングアップ時間が必要ない等のメリットがある他、国際的な取り組みである水銀使用の廃絶に向けても期待が高い。